・「私」自身と「社会」は違う

さて、今回のテーマ「社会から切りはなれてみる」です。
これは前回のテーマと近いものがありまして、「事象」と「意味」を切り離して自分自身を見つめなおすのと同じように、「社会」と「自分」を切り離して見つめなおしてみることです。といっても、社会生活から離れて修行するわけではありません。自分自身からみえるものを社会という枠からいったん離れて、改めてみるということです。

人間というものは社会的な生物であると一般的に言われていますし、これほどの人口があっても生命活動を続けていくためには社会というものを一人一人が認識する必要があります。その為、社会が私たち人間にとって必要不可欠なことは確かです。
ただ、一人ひとりにとって社会が良いものであるかどうかは別です。言い換えれば、良いものにできるかどうかは別なのです。

私たちは社会的な人間として生きていくために、自分自身をさらけだしてはいけない場面が多々あります。例えば、レストランでは大声で話さないようにはするなどの、一般常識の面でもそうです。極端に言えば、他人のものを盗ってはいけないといった犯罪行為に関することもしかり。
勘違いのないように説明しておくと、本来の自分自身は己の好きなようにしかふるまわない傍若無人な奴だと言いたいわけではありません。上に書いたようなものは、自分自身がどう考えようが、社会として機能させていくためには必要、ということです。

では、こういう場合はどうでしょうか。
あくまでも自分自身はそこまでこだわっていないけれども、社会的な目線に配慮するために正社員として就職するであったりとか、本当はそこまで望んでいないけれども、結婚して子どもを持つといったことです。どちらも逆の行動をしても悪いものではありません。ただ、そういう風に考えてしまうのは今まで自分自身がみてきた社会が、どうしてもそういう風潮だったのではないでしょうか。

そもそも社会、社会常識と自分自身は違います。繰り返しますが社会にとって良かれなことが自分自身にとって良いというわけではありません。違いを理解したうえで、帳尻を合わせていこうとしている人はそこまででないとしても、まるで暗示をかけるように、自分自身を社会化させようとすれば、本来の自分自身に無理が生じてきます。

先ほどの、家庭をつくって子どもをもつという面で説明しますと、社会的に家庭をつくるということと、自分自身の価値観は関係ありません。もしかしたら本当は絶対に結婚という立場はとりたくないし、子どもだって好きじゃないという人かもしれません。しかし、自分の気持ちよりも社会的目線を優先しようとした場合、一番手っ取り早く、効果的な方法として家庭をつくることは人として大事なことだし、子どもはとても可愛くて大切な存在だと思い込み、暗示をかけます。

しかしそれは、気に入らないから暴力と恐怖で従わせる、本人とってはそれぐらいのストレスがかかることなのです。

社会に合わせるために自分自身の価値観をなかったことにする、こういう経験を繰り返し、長い時間を経過すればするほど心の状態がバランスがとれなくなってもおかしくありません。

そこで、「社会から切りはなす」作業が重要になってきます。
周りの人の目や、生活環境、常識の類を一切外に置いて、私自身はどういう人間で、どうやって生きていたいんだろうなど、根本的にみつめなおしていきます。
もちろん、社会あっての人間ですから、なかなか想像しにくいですが、切り離そうという作業をすることによって、心の中の溜まっていったものが整理されていき、私はこんなことを考えていたんだとか、私はこういうのが好きだったのか、だから私はこの人にこういうことを求めていたんだなど、自分自身を再認識することができます。

その作業が終わった後に初めて上手く社会と折り合いをつけながら、自分自身に嘘をつかず、人間関係も円滑に進めるためにはどうしたらいいのだろうと、社会への自分自身の馴染ませかたをみつければいいです。デリケートな問題なのでゆっくりと日常生活をおくりながら考えていけばいいです。
社会は一つの生き物のようにも見えますが、結局は一人ひとりの思念の塊なのです。その発信元の私自身をクリーンにすることによって、自分自身の輝かせ方、社会との関わり方が大きく変わってみえてくるのではないでしょうか。

最後に余談ではありますが、家庭をつくる・子どもを守るというテーマは世界的な風潮からみて人として最重要な項目であると、暗黙の了解であり批判的に触れてはいけないものになっていると思います。しかしあえて穿った見方をしますが、そうだとすればどうして今でも家庭内暴力や虐待が絶えなかったり、家族関係の不和が多くの家庭で起こったりするのでしょうか。現代は確かに多様な価値観を認めようとする姿勢があるのは間違いないですが、この分野に対しては今もなお、非常に変化に厳しい姿勢であると思います。

こういうことに対して違和感を抱いている人は、なおさら感じてることを外に発信しづらいかと思います。しかし、むやみに社会的に合わそうとしたり、違和感をなかったことにしたりする前に、なぜこう感じているのだろうかと、自分自身の心の中を整理してみてください。違和感を理解することで、いつもと違った視点から社会が見渡せるようになります。

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